浜松市西区・龍雲寺 地獄極楽図⑨ 場所の地図
浜松市西区にある龍雲寺【第3899号】にある地獄極楽図の第九図です。
第九図の解説は次のように示されていました。
第九図 六七日(42日目)
六七日では、変成王の裁きを受ける。図の下では、赤鬼、青鬼のほかに白鬼までいて、肉団子を食べている。鬼の額には、もうひとつ目があり、この目で人間の善悪を見破るといわれている。悪い事をした者が、人間の目はごまかせたとしても、この額の目にはすべて見破られてしまう。
また、図の中には、餅やご飯に釘が打たれている様子を見ることができる。亡くなると、鬼に、身体の四十九の関節に釘を打たれる。非常に苦しそうであるが、残された者たちが、餅を供え、法要を行えば、鬼が身体の代わりに、餅に釘を打ってくれるといわれている。今でも当地域では、四十九日法要の際に、四十九餅を供える習慣が残っている。ただ、これは供えることが大切なのではなく、供えた餅を法要後に、他者に施し、配る。その行いが大切。残された者たちが素晴らしい行いをするのならば、と鬼が餅に釘を打ってくれたのである。
ただ、施すという事には大きなルールがある。それは見返りを求めないという事である。見返りといっても、喜んでほしい、お礼を言ってほしい、という思いも、見返りの思いである。そんな思いもなく、ただ施す。挨拶でもなんでも、ただする。ただあげる。そんな行いが大切である。
の、図上段では、修行の結果、苦しみから解脱した状態の世界を表している。
≪令和3(2021)年10月26日奉拝≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和4年2月22日(火):第3964号】