浜松市西区・龍雲寺 地獄極楽図⑧ 場所の地図
浜松市西区にある龍雲寺【第3899号】にある地獄極楽図の第八図です。
第八図の解説は次のように示されていました。
第八図 五七日(35日目)
五七日では、いよいよ死者を司る閻魔王が自らの罪を裁く。図の左にある浄玻璃の鏡は、現在の監視カメラのようなもので、生前に行った良いこと悪いことがすべて映像として映し出される。人に見られていなくても、人にばれていなくても、悪いことは悪い。閻魔様は常に見ているのである。
閻魔様は、最初に地獄に落ちた人間だといわれている。顔が赤いのは、まだ人の血が通っている表れともいわれている。大きく目と口を開け、赤ら顔で怒りをあらわにしているが、これは子供を叱る親の顔でもある。
閻魔大王は亡者を裁く報いとして日に三度、地獄の鬼たちに取り押さえられて、ドロドロに溶けた銅を無理やり飲まされて体内を焼かれるという。そのような苦痛を背負ってもなお大王が亡者を裁くのは、罪を犯さないように反省させることで一人でも多く人々を救うためだといわれている。
なお、下図では、鬼が亡者を切り刻み、煮込む姿が見られる。残酷な光景ではあるが、毎日台所で行っている事と何が違うのだろうか。私たちは日々多くの命を殺し、生かされている。スーパーで食材を買う時代。殺している実感が薄らいでいる。好き嫌いをいい、余れば捨てる。動物も野菜もみな生きていた。ただ生き物の命をいただかないと、私たちは生きられない。食についても深く考えたい。
≪令和3(2021)年10月26日奉拝≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和4年2月21日(月):第3963号】