浜松市西区・龍雲寺 地獄極楽図E  場所の地図 

 浜松市西区にある龍雲寺【第3899号】にある地獄極楽図の第六図です。

 第六図の解説は次のように示されていました。

第六図 三七日(21日目)
 三七日は、宋帝王の裁きを受ける。この王は、亡者の邪淫の罪(不倫やみだらな行為)を懲罰する冥官である。大蛇が現れ、乳房を割破し、身体を強く締め付ける図が描かれている。
 また、ここでは血の池地獄も描かれている。
 血の池地獄については、様々な説があるが、お産で亡くなるなど、多くの血を流し亡くなった女性のみが落ちる地獄といわれている。なぜお産で亡くなると血の池地獄に落ちるのか、それは前世の因縁だという。ただ、これは、女性は生理などで血が出る為、古来より穢れているとされてきた女性蔑視の文化の表れともいわれている。
 また、別の説には、人の悪口や暴言を口から吐いていた人は、ここで口から大量の血を引き出され、それが池のように溜まるといわれている。その池に落とされ、顔を出し、息をしようとしても、鬼によって池の中に深く沈められる。非常に苦しい地獄だとされる。
 悪い言葉(暴言・嫌味)を言うという事は、自分の口から出た言葉で、多くの人を傷つけ、苦しませる事である。自分の悪い言葉が、大量の血となり口から吐き出され、その悪い言葉の池に沈められ、二度と口が開けないよう池の中深く沈められるのである。まさに、口は災いの元である。

≪令和3(2021)年10月26日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和4年2月17日(木):第3959号】