浜松市西区・龍雲寺 地獄極楽図D  場所の地図 

 浜松市西区にある龍雲寺【第3899号】にある地獄極楽図の第五図です。

 第五図の解説は次のように示されていました。

第五図 二七日(14日目)
  二七日では、初江王の裁きを受ける。この王は三途の川の初江の辺りにいて、亡者が三途の川を渡るのを監視する冥官である。

 図の上では、針山地獄が描かれている。
 鬼によって崖の上から投げ落とされ、鋭い針の山に突き刺さるのである。よく見ると豪傑が割り込んで、鬼を投げ飛ばしている姿が見える。これは、投げ間違えた鬼への制裁とも言われている。助かるはずだった者を、針の山に突き刺してしまったりすると鬼も制裁を受けるのである。これは、現代なら警察や検察、裁判官など時の権力者たちへの戒めとも言われている。どの立場の人も悪いことをすれば報いが来るのである。
 図の左上から天女が天上から帯を投げている。
 亡くなってから、どこに向かうかの判決を受けていない期間を中陰といい、短いもので七日、長いもので四十九日。この期間に、残された者たちが、七日毎に仏事や、日々善行を行うと、亡者の裁判の資料に善なる事が追加されると言われている。亡き者の為に、七日毎に供養するのはこの為である。針山の中で刺さらずに助かった者は、二七日で天女により天上界に迎えられるのであろう。

≪令和3(2021)年10月26日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和4年2月16日(水):第3958号】