浜松市西区・龍雲寺 地獄極楽図B  場所の地図 

 浜松市西区にある龍雲寺【第3899号】にある地獄極楽図の第三図です。

 第三図の解説は次のように示されていました。

第三図 幼い子が亡くなった場合 水子供養
  流産・死産・幼くして亡くなった子は賽の河原という地獄に落とされる。なんの罪も犯していないと思うかもしれないが、親より先に死ぬという最大の親不孝を行った罪により地獄に落ちる。
 子供たちは、賽の河原で石を集め、石を積む。「ひとつ積んでは父の為、ふたつ積んでは母の為」と念じながら石を積むと、両親が、この世で犯している罪がひとつずつ消えるといわれている。
 ただ、ある程度、積みあがるとそこに鬼が来て、石を崩し、子供を叩く。子供だから泣くが、この鳴き声を聞いて現れるのが水子地蔵と言われるお地蔵様である。お地蔵さまが現れると、子供たちは、お地蔵様の後ろに隠れ、鬼がいなくなるのをじっと待つ。鬼は一通り暴れ終わるとどこかへ行ってしまうので、行ったのを見計らって子供たちは再び石を積む。ただ、また積みあがってきた頃に鬼が来て・・・と、この繰り返しである。どうすれば救えるのか?この子たちを救うために私にできることは冥福を祈る事である。そして、その子の命の分まで、正しく清らかに命を使い切るように日々を生きる事である。亡き子の冥福を祈り、今ある命を生ききっていく。すると、親の幸せを願う子供たちの心は満たされていく。「お父さんお母さんがこちらを向いている。幸せでいてくれている」と。
 心が満たされていればそこが極楽である。私たちは、亡き者を極楽という場所に送る事は出来ないかもしれないが、心を満たし、極楽の心にする、そんな救い方なら出来るのかもしれない。

≪令和3(2021)年10月26日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和4年2月14日(月):第3956号】