浜松市西区・龍雲寺 地獄極楽図A 場所の地図
浜松市西区にある龍雲寺【第3899号】にある地獄極楽図の第二図です。
第二図の解説は次のように示されていました。
第二図 葬儀 人を送る場面
戦後しばらくして、火葬が一般的になるまでは、絵図のような野辺送りの儀式が実際に各地で行われていた。野とは一般的に土葬場の事を指し、家から土葬場に行き、埋めて戻る、この流れ、親族や近所の者と役割を決め、行列を組んで行うのが葬列である。葬儀に参加する事を参列するというのも列に加わるという意味の名残である。葬儀は現在では寺やホールなど一カ所で行っているが、本来はその場面場面で読経を行うものである。棺に入れる時、棺のふたを閉める時、家を出る時、行列を組む時、野に着いた時などにそれぞれ儀式をしていた。
ただ火葬が一般的になり、また忙しい人が増えた現代では、葬列は組まず、寺やホールなど一ヶ所でその場面を想像しながら行っている。葬儀は座っていれば終わる時代になったが、本来の意味を考え、その場面を想像し、心だけでも葬列に参加する事が大事である。
図の中では、遺体は、僧侶の前の棺に入れられている。現代と違い、座棺である。最後の夜を布団で過ごし、朝、座る形の棺に入れる。座棺の方が、掘る面積も小さく効率的であった。
図中央には、死体が野ざらしになって、次第に腐り、土にかえる檀家を九つに分けてある。
現代の火葬では、人が腐るさまを見ることはないが、死とは本来恐ろしいものである。
なお、この九つの遺体の図は、九相観といい座禅中に精神統一の為に思い浮かべる図でもある。
≪令和3(2021)年10月26日奉拝≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和4年2月13日(日):第3955号】