安城・花ノ木観音  場所の地図

 安城市花ノ木町に、一体の観音様が建っています。この観音様には、次のような悲しい話が言い伝えられています。
 かって安城町字花ノ木と呼ばれていた頃、この辺(あた)りには、大きな料亭や旅館がありました。そこで働く料理人や中居さん、または芸妓さんなどは、遠い地方からの出身者も多く、とても賑やかな街でした。そんな中で、縁者が知れず突然亡くなってしまう方のために、料亭の主人たちがその霊を弔うために観音堂を建てましたが、昭和20年代に廃寺となりました。廃寺から50年以上経(た)って、平成18年、地元有志の方々の浄財で岡崎石による新しい聖観音像を建てることになりました。
 この観音像が下の写真です。
 また、隣にある小さな地蔵菩薩像は、壊れた観音堂の境内から見つかった地蔵様です。観音前の路地道は西へ150mの安城高等女学校の裏門まで一本道なので、新美南吉先生は登下校時にお参りされた可能性があり、この地蔵が童話「花のき村と盗人たち」に登場するお地蔵様のモデルといわれています。現存のものは、風雨)で傷みがひどかったので、平成18年に造りかえられました。

≪令和3(2021)年9月24日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和3年12月8日(水):第3888号】