現代文学大系⑪-平林たい子・圓地文子集-

 文学全集の11冊目は、平林たい子・圓地文子集です。女流文学者は、2冊目です。
 平林たい子(1905-1972)は、と圓地文子(1905-1986)は、同年生まれで大正・昭和時代を代表する女流作家です。しかし、生まれと生き方は全く正反対です。平林は、貧しい農家生まれで、プロレタリア作家としての作品が数多くあります。圓地は、大学教授の娘として生まれ、何不自由ない環境で育ち、抑圧された女の業や執念を扱い、戦後の女流文壇の第一人者となりました。
 掲載されている平林の作品は、扱う題材が、任侠と社会主義運動という乖離に驚きます。圓地の作品は、女性目線から見た男女の関係についての作品が多く、男性作家では表現できない機微を感じました。

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≪令和3(2021)年10月23日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和3年11月13日(土):第3863号】