みほとけG−浜松市北区・摩訶耶寺の不動明王立像−  浜松市美術館場所の地図

 「みほとけのキセキ」展覧会における仏像の写真、第8回目は、浜松市北区にある摩訶耶寺の不動明王立像です。摩訶耶寺は、すでに訪れたことがあり、不動明王は拝観したことがありました。【第1304号】

 重要文化財
 木造(一木割矧造り)、彩色 平安時代後期・12世紀

 巻髪(けんぱつ)で、頭頂に花のように髪の毛を束ね(莎髻:しゃけい)、左肩に編んで束にした髪(弁髪:べんぱつ)を垂らす(亡失)。右目を開いて、左目は下にすがめ(天地眼)、右の下牙、左の上牙をむき出す怒りの表情は、平安時代後期以降の不動明王によく見られる。耳たぶを環状にし、首には3本の筋(三道)を彫り出している。左肩から条帛(じょうはく)を掛ける。左手には綱(羂索:けんさく)を握り、右手には剣を持つ。ひじと腕には飾りを表し(臂釧:びせん・腕釧:わんせん)、二重に折り返した裳をつける。腰を右に捻じり、左足を踏み出す。
 怒り中にも品位のある顔立ちは、平安時代後期の特徴を示すが、怒りの表情の写実性、腰のひねりと足の踏み出しにより動きと力強さには、平安時代から鎌倉時代への変遷が感じられる。

≪令和3(2021)年4月24日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題ウェブ日記 【令和3年5月14日(金):第3680号】