みほとけD−湖西・応賀寺の阿弥陀如来坐像− 浜松市美術館場所の地図
「みほとけのキセキ」展覧会における仏像の写真、第5回目は、湖西市にある応賀寺の阿弥陀如来坐像です。
静岡県指定文化財
木造(寄木造り)、金泥彩、漆箔 平安時代後期・12世紀
頭部は盛り上がって2段となり(肉髻相:にくけいそう)、朱色の玉をつける(肉髻珠:にくけいしゅ)。縮れ毛を粒状に彫り出す(螺髪:らはつ)。眉間には白い毛が円形の突起となり(白毫:びゃくごう)、耳たぶは環状とする。首には3本の筋(三道)を彫り出し、左肩から衲衣(のうえ)をまとう。左手に薬壺(やっこ)を載せる。右手は前に出し、第3・4指を軽く曲げる。腹前で両手を上にして、人差し指を親指に付けて輪をつくる(定印:じょういん)。右足を外にして結跏趺坐(けっかふざ)する。
穏健な表情や浅い衣文の彫り、細かく整った螺髪の表現、平坦な体つきから、平安時代後期の定朝様をもとにした作と考えられる。
神仏分離に端を発した廃仏毀釈で荒廃した舘山寺(浜松市西区)より明治4(1872)年に応賀寺に移された。浜名湖を中心とした文化圏における仏像の移動の一例である。
≪令和3(2021)年4月24日撮影≫ |