みほとけC−袋井・西楽寺の薬師如来坐像−  浜松市美術館場所の地図

 「みほとけのキセキ」展覧会における仏像の写真、第4回目は、袋井市にある西楽寺(さいらくじ)の薬師如来坐像です。

 寺外初出展・静岡県指定文化財
 木造(一木割矧造り)、漆箔 平安時代後期・12世紀

 頭部は盛り上がって2段となり(肉髻相:にくけいそう)、朱色の玉をつける(肉髻珠:にくけいしゅ)。縮れ毛を粒状に彫り出す(螺髪:らはつ)。眉間には白い毛が円形の突起となり(白毫:びゃくごう)、耳たぶは環状とする。首には3本の筋(三道)を彫り出し、左肩から衲衣(のうえ)をまとう。左手に薬壺(やっこ)を載せる。右手は前に出し、第3・4指を軽く曲げる。右足を外にして結跏趺坐(けっかふざ)する。(注:薬壺は、展示されていません)
 彫りの浅い衣文表現や、奥行きの薄い体の表現から、定朝様(じょうちょうよう)が流行する平安時代後期の作と考えられる。
 西楽寺薬師堂に平安時代中期から後期の作と推定される日光菩薩立像・月光菩薩立像とともに安置されるが、これら両脇侍(りょうきょうじ)は本像と比較してその像高が非常に高く、もとは別の像の脇侍であったと考えられる。

≪令和3(2021)年4月24日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題ウェブ日記 【令和3年5月10日(月):第3676号】