みほとけB−豊橋・普門寺の不動明王− 浜松市美術館場所の地図
「みほとけのキセキ」展覧会における仏像の写真、第3回目は、豊橋市にある普門寺の不動明王立像とその脇侍の3躯です。
愛知県外初出展・愛知県指定文化財
木造(一木割矧造り)、彩色(切金文様) 平安時代後期・12世紀
不動明王立像は、頭頂に花のような髪を結い(莎髻:しゃけい)、巻髪(けんはつ)で、左肩に編んで束にした髪(弁髪)を垂らす。右目を開いて、左目を下にすがめ(天地眼)、右の下牙、左の上牙をむき出す。首には3本の筋(三道)を掘り出している。左肩から条帛を掛け、裙、腰布をつける。
腰布表にわずかに線状のの金属箔を接着した文様(切金文様)の彩色が残る。左手に綱(羂索:けんさく)を握り、右手には後補の剣を持つが、当初の剣も残り、貴重である。
ひじと腕には飾りを掘り出す(臂釧:ひせん、腕釧:わんせん)。腰を右に捻り、左足を踏み出す。平安時代後期の典型的な姿である。
脇侍の矜羯羅(こんがら)童子立像は、両手で蓮を持ち、制叱迦(せいたか)童子立像は右手を額にかざす。腰高なプロモーションが3躯に共通しており、群像としてのまとまりもよい。
制叱迦童子立像 | 不動明王立像 | 矜羯羅(こんがら)童子立像 |
≪令和3(2021)年4月24日撮影≫ |