今月の掛軸 bP17−【月舟・紀貫之の歌】
土蔵から出てきた掛軸の第12回目は、月舟の「紀貫之の歌」です。
月舟宗胡(げっしゅう そうこ、1618-1696)は、江戸時代の曹洞宗を代表する禅僧の一人です。厳格な古規の復興と慈愛に満ちた接化(修行者の指導)で知られ、多くの優れた弟子達を育てました。そのため、宗統復古の先駆者・曹洞宗中興の祖などとして高く評価されています。一方、月舟は多くの書を残し、その数は曹洞宗隋一とも言われています。
所有する掛け軸は、紀貫之の和歌をしたためたものです。
右側に、詞書(ことばがき:和歌や俳句の前書きとして、その作品の動機・主題・成立事情などを記したもの。)として
左大臣の家のをのこ女ご 冠し 裳 着ける
※左大臣の男の子と女の子が同じ日に成人式(十二〜十六歳)を行った時の祝い歌
とあり、左側に和歌
大はらやをしほの山の 小松ばら
はやこだかかれ 千代の影見む
※大原の神の社や、藤氏の山の小松原、
はやく木高くなれ、千代のお蔭を受けましょう
とあります。詳細はHP参照。
≪令和2(2020)年12月4日撮影≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和2年12月6日(日):第3521号】