今月の掛軸 bP09−【足利紫山・寂室示光老師の七言絶句】
今月の掛軸は、第3代方広寺派官長である足利紫山老師が書した、滋賀県にある臨済宗の本山・永源寺の開祖である寂室示光老師の七言絶句です。
風攪飛泉送冷声 風、飛泉(滝)を攪(か)いて冷声を送る
前峰月上竹窓明 前峰、月上(のぼ)りて竹窓明らかなり
老来殊覚山中好 老来殊に覚ゆ山中の好(よ)きことを
死在巌根骨也清 死して巌根に在らば骨也(ま)た清し
この詩は、寂室が兵庫県但東町にある山寺が気に入って、一年近く寄寓し、ここを去るに当たって残した詩ということです。結句は特に有名。西田幾多郎が書斎に「骨清窟」の扁額を上げたのも、この詩によります。
≪令和2(2020)年4月5日撮影≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和2年4月8日(水):第3279号】