鶴田卓池と三河の俳諧-蕉風俳諧の系譜:岡崎市美術博物館  場所の地図

 岡崎市美術博物館で、9月28日(土)から来年の11月10日(日)まで開催されている、表記展覧会に行ってきました。
 展覧会の内容が、博物館のHPに次のように記載されています。
 三河地方には鶴田卓池が自ら絵を描き俳句の賛を入れた掛軸・扇子・屏風が各地に伝わっています。そのことは卓池が多くの人に慕われたことを物語っています。卓池は江戸時代後期に三河で活躍した俳人です。岡崎菅生の紺屋に生まれましたが、俳諧で頭角を現し、三河を代表する存在になります。その系譜は松尾芭蕉の蕉風開眼の地とされる名古屋でその伝統を引き継いだ加藤暁台、さらに井上士朗に師事しました。士朗亡きあとは三河や遠州にも多くの門人を擁し、広く名が知られるようになりました。俳句の天保四老人の一人に数えられることもあります。
 本展は松尾芭蕉から卓池登場に至るまでの三河俳諧の歴史を辿るとともに、卓池の生涯を画賛の作品と句集で紹介します。卓池以外の天保四老人が江戸・京に出たのに対し、卓池はあくまで岡崎を活動の拠点としました。その点は地方の時代を開いた先駆者ですが、その蕉風継承者としての存在は地方文人の域を越え、高く評価されるべきでしょう。軽妙な卓池の俳画と俳句の魅力をお楽しみください。
 かゞやきの ますばかりなり けふの月  卓池
 この展覧館を鑑賞し、鶴田卓池という俳人の人柄を知ると同時にその偉大さを痛感しました。岡崎の地にこんな偉大な俳人がいたことを新たに再認識しました。

博物館前のポスター ポスターより自画像アップ 卓池の排画「日が入ば月がさす也秋の水」-ポスターより
≪令和元(2019)年11月1日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【令和元年11月3日(日):第3122号】