京都市右京区・大覚寺  場所の地図 

 真言宗大覚寺派の大本山である大覚寺は、正式名称を旧嵯峨御所大覚寺門跡といいます。山号を嵯峨山、本尊は不動明王を中心とする五大明王、開基は嵯峨天皇です。貞観18(876)年、嵯峨天皇の離宮嵯峨院を寺院に改め、歴代の天皇や皇族が住持された門跡寺院であり、嵯峨御所として知られています。境内にある書院造の正寝殿(重文)には、狩野山楽筆の襖絵や墨絵などの障壁画を多数所蔵しています。宸殿(重文)は女御御殿の宸殿として使用していたもので、狩野山楽筆の牡丹図・紅白梅図(重文)などがあります。また、嵯峨天皇をはじめとする天皇の写経が勅封心経として奉安されており、般若心経写経の根本道場として、心経信仰が盛んに行われています。境内の東側に広がる大沢池(名勝地)は、平安時代、唐(現在の中国)の洞庭湖を模して造られた日本最古の林泉式庭園です。池畔には桜や楓が約700本、池内には約3000株もの蓮が自生しており、平安時代から変わらない風光明媚な風景を楽しむことができます。また日本三大名月観賞地であることから観月の名所として知られ、中秋の頃には観月の夕べが開催されます。また華道のいけばな嵯峨御流の礎となった菊ヶ島があり、大覚寺はいけばな嵯峨御流の総司所としても知られています。

玄関門 宸殿(しんでん)の長縁 宸殿にある狩野山楽筆の襖絵
御影堂(みえどう) 正寝殿(しょうしんでん) 正寝殿にある狩野山楽筆の襖絵
勅使門 勅封心経殿(ちょくふうしんぎょうでん) 霊明殿
五大堂(本堂) 大沢池 朱印
≪平成31(2019)年1月8日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成31年1月22日(月):第2837号】