今月の掛軸 bX2−【為君起清風】

 先代が集めた色紙シリーズの第5弾です。
 今月も現管長より二代前の荒金天倫(1920-1990)老師の書です。
 「為君起清風(きみがためにせいふうをおこす」とあります。元々は、「為君葉々起清風」です。「葉々」の部分は、墨絵で表されているものと思われます。
 この語のもとは、中国の禅宗の高僧のもとに三人の道友・弟子が長旅の別れの挨拶に来て、それを送り出す言葉です。お互いをよく知りあう者同士が、長旅でつぎにいつ会えるかわからないという別離の心境を、門前の竹林の葉が清風を起こしていると表しています。(齢仙寺雑記帳より

≪平成30(2018)年6月9日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成30年11月4日(日):第2758号】