今月の掛軸 bW8−【日々是好日(にちにちこれこうじつ)】

 先代が集めた色紙が数多く残っています。これからは、その色紙も紹介していこうと思います。
 「日々是好日」、現管長より二代前の荒金天倫(1920-1990)老師の書です。次のような説明文が入っています。
 今から千百年の昔、ある和尚が、「十五日以前は汝に問わず、15日以後の一句を言いもち来れ」と問いかけ、誰も答えるものがなかったので自ら「日々是好日」と称えられました。これは「来る日も来る日も良い日だわい」というのではなく、結果を求めず、その場その場でひたすら全身全霊をそそいで努力する−−ということで、そのひたむきに努力している姿、それが是好日になる、ということです。方広寺の管長、足利紫山(1859-1959)老師が常に「この秋は雨か風かは知らねども、きょうのつとめの田の草をとる」との古歌を称えられましたが、実にその通りで、私たちはその日その日、その場その場でひたすら努力すれば結果は必ずすばらしい所得が生じます。お互い、不平不満を言う前に自分を常に反省(脚下を照顧)し、努力精進しましょう。(出典=碧巌録)

≪平成30(2018)年6月9日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成30年7月9日(月):第2640号】