小浜古刹めぐりA

 福井県小浜市は、若狭の小京都ともよばれ、国宝級の古刹が数多く存在しています。平成26(2014)年5月5日に一度訪れ、その際5ヶ寺を拝観しています。【第1117号】今回は、その時拝観できなかった4ヶ寺を訪れました。

 常高寺  場所の地図

 常高寺は、夫・京極高次の菩提を弔い、さらには父母などの供養のため、寛永7(1630)年に常高院(浅井三姉妹の次女、お初の方)の発願によって建立された名刹です。本堂は大正(1923)年に焼亡しましたが、由緒ある名刹復興の動きもあって、平成13(2001)年に復興しました。北へ歩いて15分程の所に、常高院の墓所があります。ちょっとしたウォーキングです。山号は凌霄山、臨済宗妙心寺派の寺院で、本尊は釈迦如来です。

山門 本堂 常高院の位牌
庭園 常高院の墓所 朱印

 妙楽寺  場所の地図

 養老3(719)年に僧行基が本尊を彫り、延暦16(797)年に弘法大師が本尊を排して堂舎を建立したといわれる名刹です。桜並木の参道から山門をくぐると、境内には俗界と一線を画す静寂が広がります。鎌倉時代に建立された本堂(国指定重要文化財)は若狭における最古の建造物で、本尊である24面を持つ珍しい木造千手観音菩薩立像が安置されています。高野山真言宗の寺院。山号は岩屋山。

山門 本堂 朱印

 圓照寺  場所の地図

 創立は不明、かつて大日山堂谷にあった真言宗の寺院が文安元(1444)年に現地に移されてのち、臨済宗の圓照寺と改められました。本尊である金色に輝く木造大日如来坐像は251.5cmあり、国宝、国指定重要文化財63躰の大日如来像のうちで4番目の大きさを誇ります。臨済宗南禅寺派の寺院。山号は地久山。

参道 本堂
庭園 朱印
  ≪平成30(2018)年5月9日奉拝≫

 多田寺  場所の地図

 奈良時代、孝謙天皇の勅命により創建と伝承されています。本尊の木造薬師如来立像(重文)は眼病に霊験あらたかといわれ、特に春秋の彼岸には「多田のお薬師さん」参拝で賑わいをみせます。また、木造十一面観音菩薩立像(重文)は孝謙天皇を模したと伝えられ、穏やかな微笑みを浮かべた表情が印象的です。高野山真言宗の寺院。山号は石照山。

山門 参道
本堂
≪平成30(2018)年5月10日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成30年5月17日(木):第2587号】