金沢市内散策③

 昨日に続く、「徒歩でぐるりと、新旧の金沢を訪ねるコース」の2回目です。今回はここで登場する「鈴木大拙館」を中心に考えました。

石川国際交流サロン  場所の地図
 石川国際交流サロンは石川県が開設し、石川県国際交流協会が管理運営している施設です。大正末期に建築された民家を利用したたたずまいで、大正末期に建てられた民家を国際交流の場として利用しています。日本間と日本庭園がすばらしく、日本間の一角で庭園を眺めながらの休憩は至福の時間です。

鈴木大拙館  場所の地図
 金沢が生んだ世界的な仏教哲学者・鈴木大拙への理解を深めると共に、来館者自らが思索する場とするために金沢市が平成23(2011)年に開設した文化施設です。建物は、「玄関棟」「展示棟」「思索空間棟」の3つの棟と、「玄関の庭」「水鏡の庭」「露地の庭」の3つの庭から構成され、各棟は建物の中と外に作られた回廊で結ばれています。順序通りに進んでいくと、自然に大拙について知り、学び、考えるように設計されています。玄関棟から内部回廊を抜けると、大拙の書や写真が配されている展示空間。展示棟を出ると目の前に現れるのが施設の中で最も広く作られた水鏡の庭。庭は、ただそこにいるだけで大拙が説く「全宇宙」が感じられるようになっています。浅く水が張られた水盤に周りに生い茂る樹木や青い空、美しい建物が映りこんでいるさまはどこまでも静粛で穏やか、そして定期的に発生する波紋やそよぐ風が立てるさざ波、葉擦れの音は肌に心地よく、時間の流れが空間の中に溶けだしていくような錯覚に陥ります。

緑の小径  場所の地図
 鈴木大拙館の水鏡の庭沿いにある散策路で、「緑の小径」と名付けられています。緑が豊富な小径で散策するととても気持ちが良いです。鈴木大拙館は哲学をテーマとし、さまざまな空間を演出していますが、「緑の小径」を一歩進むごとに少しずつ静寂な哲学の世界に誘われます。

≪平成30(2018)年5月9日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成30年5月14日(月):第2584号】