新城・冨賀寺(ふかじ)  場所の地図

 新城市中宇利地区に、国や市の指定文化財を多く持った古刹があるということで参拝してきました。
 冨賀寺は、真言宗の寺院で、山号を奥貴山、本尊は、十一面観世音菩薩です。大宝元(701)年に行基が十一面観音像を彫り,小堂を建てたことに始まります。10世紀には藤原忠平(ただひら)が訪れ,本尊十一面観音を参拝したところ,たびたび夢に現れ,ますます深く信仰され、そのおかげで関白太政大臣まで昇進することができたので、そのお礼に本堂や中堂、護摩堂、三重塔、大門、十二坊舎などを寄進し,943年に落慶法要をした寺伝に残されているとのことです。
 文化財は、絵画、彫刻、古文書、史跡、名勝と多方面におよび、参拝してみることができたのは、名勝である、客殿から望む西庭として作庭された120坪ほどの「池泉観賞式庭園」です。自然傾斜地を利用した滝石組が設けられ、2箇所の滝石組は本庭園の主景となっています。池の護岸には巧みに石を組み、木杭による曲線美などは、石組と併せて造形美が高く、さらに池には石橋を架け、北側築山下には飛石を配していますが、回遊性は低く、客殿からの眺望に主眼をおいた作風と考えられるとのことです。他の文化財は、冨賀寺のHPにて見ることができます。
 境内には、女城主直虎で登場した、宇利城主近藤満用(みつもち)をはじめとする近藤家の墓地もありました。

赤門 客殿 池泉式庭園
庭園パノラマ
 本堂 大師堂 近藤家墓所
≪平成30(2018)年4月17日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成30年5月5日(土):第2575号】