東福寺塔頭A

 東福寺の塔頭寺院シリーズ2回目です。今回の3ヶ寺は、庭園有り、仏像有りと変化に富んでいます。

霊雲(れいうん)院  場所の地図
 明徳元(1390)年開創の塔頭寺院。寛永年間(1624-44)に熊本藩主から贈られた名石として誉れが高い「遺愛石」と銘づけた須弥台と石船があります。枯山水の庭は、戦後復元され、遺愛石を置いた九山八海の庭と、臥雲の庭の二つがあります。桃山様式という二階建て茶室観月亭から庭が観賞できるようになっています。

山門 遺愛石九山八海の庭 臥雲の庭
書院 茶室「観月亭」 朱印

同聚(どうしゅう)院  場所の地図
 本尊である不動明王坐像(重文)が有名で、寛弘3(1006)年建立と伝えられいます。他の4明王は散逸し、この像だけが残ったのは、火除け像として崇敬が厚かったからといわれています。 

本堂 不動明王 朱印

勝林(しょうりん)寺  場所の地図
 天文19(1550)年創建されました。仏法と北方を守護する毘沙門天を祀ることから「東福寺の毘沙門天」と呼ばれています。毘沙門堂に安置する毘沙門天立像は、高さ145.7cmの等身大に近い一木造の像で、左手に宝塔、右手に三叉戟をもった憤怒相、作は平安時代10世紀後半頃に遡ると言われています。長く東福寺仏殿の天井裏にひそかに安置されていましたが、江戸時代に発見され、勝林寺の本尊として祀られました。 脇侍の吉祥天像、善膩師童子像はともに江戸時代の作で、衣の色彩も鮮やかに残っています。ただ、残念なことに撮影禁止のため、私の瞼に画像が残っているだけです。

参道 錦秋の境内  朱印
≪平成29(2017)年11月28日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成29年12月5日(火):第2424号】