湖東三山B・百済寺(ひゃくさいじ)  場所の地図

 湖東三山3つ目の寺院は、東近江町にある釈迦山百済寺です。近江の最古級寺院で、今から1400年前、推古14(606)年に、聖徳太子が百済人のために創建されまた天台宗の寺院です。本尊は、太子治作の「植木の観音」であったと伝えられている十一面観世音菩薩です。その後、鎌倉時代には、「天台別院」と称され中枢部の300坊に加えて総計1000坊、1300余人を擁する大寺院となりましたが、室町・戦国時代には度重なる兵火、とくに天正元年の焼討を受けました。
 江戸初期になって、井伊家等の寄進を得て現在の本堂・仁王門・山門等が再建されました。
 山門から石垣参道に沿って400mほど登ったところに本坊喜見院(きけんいん)があり、その表門内側の書院に面して壮大な池泉回遊・鑑賞式庭園があります。庭園頂部の遠望台前面には、比叡山や湖西の山々が、背面には鈴鹿山脈を借景に取り込み旧庭園の石と山内の谷川から運んだ巨石を組み合わせて築庭されています。池畔の平らな石を「拝み石」、渓流の源に配された石を「不動石」と呼び、自然の谷川の水が石の間を渓流となって流れ、池に落ちるように造られ、多くのコイが泳いでいます。

本坊喜見院 池泉回遊・鑑賞式庭園
仁王門 本堂(重文) 朱印
≪平成29(2017)年11月1日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成29年11月10日(金):第2399号】