湖東三山A・金剛輪寺  場所の地図

 湖東三山2つ目の寺院は、愛荘町にある松峰山金剛輪寺です。聖武天皇の勅願寺として、行基が天平13(741)年に開山された天台宗の古刹です。本尊である聖観世音菩薩は、行基作といわれています。 源義経(みなもとのよしつね)が武運必勝を願い太刀を寄進したり、北条時宗が元軍降伏の祈願をしたといわれます。
 山門から本堂までサツキに囲まれた石段が続きます。その石段の左右には見事に千体地蔵が並んでおり、山岳城郭であり、祈りの源である趣を残しています。石段を登りつめたところに、当時の僧の機智により焼き打ちによる焼失の難を免れた本堂大悲閣、三重塔、二天門があります。本堂大悲閣は、鎌倉時代の和様建築の代表とされ、国宝に指定されています。本堂前にある二天門は室町時代の建立で、最初、八脚門と呼ばれる楼門でしたが、江戸時代に二階部分が取り壊され現在の形になりました。三重塔は、昭和49(1974)年に復元されました。
 白門をくぐった参道の途中に、江戸時代の創建といわれる金剛輪寺の本坊明寿院(みょうじゅいん)があります。この本坊の南・東・北の三方を囲むように庭園があり、心の字池が3庭を結んでいます。3つの庭は、作庭された年代がそれぞれ異なる池泉回遊(ちせんかいゆう)・鑑賞式(かんしょうしき)の庭園で、それぞれが名勝に指定されています。

赤門 白門 書院庭園
茶室と庭園 参道の両側に並ぶ千体地蔵 二天門(重文)
本堂(国宝) 三重塔(重文) 朱印
≪平成29(2017)年11月1日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成29年11月9日(木):第2398号】