名古屋市熱田区・高蔵夜寒の里コース

 名古屋市熱田区の史跡・文化財を巡る散策路(名古屋市史跡散策路熱田区参照)にある高蔵夜寒の里コースです。
 久しぶりの秋晴れ、運動不足の解消に、このコースにチャレンジしました。
 このコースの概要として、『「鉄地蔵の観聴寺、「沢の観音」と呼ばれる妙安寺、「井戸のぞき」の高座結御子(たかくらむすびみこ)神社を訪れ、夜寒の里をしのぶ、金山から熱田神宮にいたる散策路。(約2.8km)」』とあります。コース図にある地図を参照に巡り、ポイントの説明文は、そのコース図にある説明文を参照しました。

観聴寺(かんちょうじ)  場所の地図
 西山浄土宗、山号は大悲山(だいひざん)。本尊は十一面観世音菩薩像である。室町期の鋳鉄地蔵菩薩立像(県指定文化財)や月待(つきまち)供養碑(市指定文化財)がある。月待信仰は室町から江戸期にかけて盛んであった。

山門 本堂 月待供養碑

金山神社  場所の地図
 承和年間(834から848)神宮鍛冶職の祖が、屋敷内に勧請したことに始まり、尾張鍛冶の発祥の地といわれる。大祭は、11月8日のふいご祭。

参道 拝殿

佐屋街道道標  場所の地図
 文政4(1821)年佐屋宿の旅籠連中が建立。佐屋街道は、東海道の宮から桑名までの海路「七里の渡し船」を避け、陸路で岩塚を経て佐屋に至り、佐屋宿からは木曽川を下り桑名に至る。

住吉神社  場所の地図
  享保9(1724)年に、摂津の住吉の神を勧請し創建した。境内に、名古屋の代表的俳人、三人の句を一石に刻んだ句碑(三吟塚)がある。

参道 拝殿 三吟塚

妙安寺(みょうあんじ)  場所の地図
 臨済宗妙心寺派、山号は富春山(ふしゅんざん)。通称「沢の観音」。本尊の聖観音像は宋の古銭で作られたといわれる。その昔、境内から南西への眺望は絶景で文人墨客が往来した。

一の鳥居跡  場所の地図
 熱田神宮の北の入口を示す朱塗りの大鳥居が建っていた。

畑中地蔵  場所の地図
 かつてこのあたりは畑一面の地であった。地蔵は三角錘形の自然石(花崗岩)で、「おこり」(熱病)を病む人が祈れば治ると伝えられた。東側に隣接して「七はしくやう(供養)」碑がある。

畑中地蔵 地蔵本体 「七はしくよう」碑

高蔵貝塚・古墳群  場所の地図
 貝塚は弥生時代後期のもので、沢上から高蔵にかけ10か所以上で小貝塚や土器片が発見された。宮廷式土器の華麗な丹塗り壺(重要文化財)や、当時馬がいたことを示す馬の骨が出土した。古墳は高座結御子神社とその周辺に十数基散在していた。

高座結御子神社  場所の地図
 熱田神宮の摂社で承和2(835)年の創建とされる。俗に高蔵神社と呼ぶ。現在の祭神は高倉下命(たかくらじのみこと)。子育ての神として知られ、6月1日の大祭は「井戸のぞき」で賑わう。境内の井戸をのぞくと子どもの虫封じになるという。

参道 拝殿 朱印

夜寒の里碑  場所の地図
 その昔閑静で眺望のよい別荘地とされた。古地誌『厚覧草(あつみぐさ)』に夜寒の里と記されている。

春養寺(しゅんようじ)  場所の地図
 曹洞宗、山号は亀丘山(ききゅうざん)。文政3(1820)年創建。本堂前の線彫地蔵は、室町時代後期の作と推定される。境内には馬頭観世音菩薩像がある。

山門 本堂 線彫地蔵
≪平成29(2017)年10月27日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成29年10月29日(日):第2387号】