香(こう)
香には、線香と抹香があります。抹香は、焼香に使用する香です。焼香については【第2310号】を参照して下さい。
今回は、香のうちでも線香の話です。
香には「持戒」の意味があります。寺院でお参りした際に、線香を立てる行いは、我が身を悪い行いから守り、清浄を保ち、「戒律を守る」ことを表しています。なお、立てる本数は、宗派により異なります。私は誠意を込めて立てれば一本で十分だと思っています。なお、線香に火を付けるには、必ずろうそくから付けること。これは、仏様に供えた火を分けていただき、それを捧げるという意味があるためといわれています。付けた際に燃え上がる炎は必ず手で消して下さい。人の「息」で消す行為は、仏さまを汚してしまうといわれています。
また、お墓参りや、通夜等で線香を上げる行為は、次の意味があるといわれています。
線香の香りは、故人の食べ物と考えられています。そのため、通夜では必ず線香をたやさないようにします。
線香をあげるということで、仏様となった故人と心を通わせるためです。線香をあげる人の心と、仏様とを線香の香りで繋ぎ、仏様と向き合うことで、、故人の冥福を祈り、今ある私たちは、ご先祖様のおかげであると感謝の気持ちをささげましょう。
≪平成29(2017)年8月13日撮影≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成29年8月13日(日):第2312号】