稲沢・矢合(やわせ)観音とその界隈  

 稲沢市にある矢合観音は、お寺ではなくいわゆる在家に祀られている「十一面観世音菩薩」です。由緒は諸説ありますが、安土桃山時代、現在の稲沢市に存在した矢合城主がこの地に観音菩薩を祀ったのが始まりといわれています。この観音様が諸病に効験があると広まり、遠地からも参詣者が集まるようになったとのことです。毎月18日が縁日ということで多くの人たちの参詣でにぎわいます。小規模ながら門前町があり、飲食店、土産物店があります。
 矢合観音の東側にある、臨済宗妙心寺派鈴置山国分寺は、元は円興寺といいましたが、境内に国分寺堂があったことから、明治19(1886)年に国分寺と改められました。本尊は、薬師如来です。国指定の重要文化財5点(木造釈迦如来坐像他)が、収蔵庫に納められています。
 また、矢合観音の北側にある臨済宗妙心寺派大慈山安楽寺には、平安時代末期作である木造十一面観音立像をはじめとする国指定の重要文化財3点の他計6点の文化財が納められています。参道は桜の名所としても知られています。

【矢合観音】 場所の地図
矢合観音参道 山門 十一面観世音菩薩が祀られているお堂
【国分寺】 場所の地図
国分寺参道 本堂 収蔵庫
【安楽寺】 場所の地図
参道 本堂 文化財一覧
≪平成29(2017)年6月26日奉拝≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成29年7月2日(日):第2268号】