金沢市内散策

 6度目の金沢訪問です。今回は、まだ訪れていない金沢市内の名所旧跡の何ヶ所かを、レンタサイクルで訪れました。また違った魅力がありました。金沢は奥深い街です。

犀川大橋  場所の地図
 金沢を流れる有名な川の一つである犀川にかかる、平成12(2000)年に国の登録有形文化財に指定された橋です。犀川は、金沢の文豪・室生犀星もこよなく愛した川であり、詩集にも「美しき川は流れたり」と詠まれています。橋は、片町から野町方向へ向かう途中にあり、いまでは珍しい鉄骨トラス橋。その歴史は、藩政期の架橋から始まり、幾度となく姿を変えていますが、大正13(1924)年に現在の原型が完成しました。人と人とをつないで新たな産業や生活文化の営みに貢献してきた犀川大橋は、今も昔も変わることなく市民の生活を支え続け、現在も、金沢の中心街と市街地を結んでいます。

伏見寺(ふしみじ)  場所の地図
 金沢の寺町寺院群の1つです。開基は芋掘り藤五郎とされ、藤五郎ゆかりの寺として有名です。芋掘り藤五郎は、奈良時代にこの地に住んでいたとされる伝説の人物であり、山芋掘りと生業としていました。ある時、初瀬の観音菩薩の夢告に従って、大和国の長者が姫を伴ってやって来て婿としました。金の価値を知らない藤五郎でしたが、藤五郎はそれが山芋を掘ればいくらでも出てきました。この藤五郎が掘った芋を洗った沢を「金洗いの沢」と呼んだことから、この一帯を金沢と呼ぶようになったといわれています。
 伏見寺は、信心深い藤五郎が集めた砂金を使って仏像を造って、自らが住んでいた山科の里に近い伏見に建立した寺です。さらにその仏像を開眼供養したのが行基であるため、山号を行基山といい、高野山真言宗の寺院になっています。境内には芋掘り藤五郎の墓があり、堂内には平安前期の阿弥陀如来像(国指定重要文化財)が安置されています。また国宝級の仏像もいくつか所蔵されており、すべて近くで見ることができます。

山門 本堂玄関
芋掘り藤五郎の墓 朱印

久保市乙剣宮(くぼいちおとつるぎぐう)  場所の地図
 久保市乙剣宮は久保市(くぼいち)さんと呼ばれ親しまれている神社です。元々は真言宗のお寺だったですが、明治時代に寺は廃止し神社となりました。久保市乙剣宮のすぐ近くに泉鏡花の生家(現在は泉鏡花記念館)があり、泉鏡花の子供のころには久保市乙剣宮の境内でよく遊んだということです。

参道 拝殿 朱印
≪平成28(2016)年7月29日奉拝≫

寺島蔵人邸(てらしまくらうどてい)  場所の地図
 藩政改革に努めた加賀藩の中級武士寺島蔵人の武家屋敷跡です。金沢市指定文化財として保存され、一般公開されており、蔵人が所有した書画、骨とう品等が展示されています。枯山水の庭は春のドウダンツツジ、秋の紅葉がすばらしく、庭園の散策もできます。

寺島邸門 邸内の座敷拝殿 枯山水の庭

金沢文芸館  場所の地図
 文芸館の建物は、国登録有形文化財に指定されており、昭和初期の面影を残すデザインが目を引きます。金沢の文芸活動の拠点、発信基地として開設されました。1階は「交流サロン」、2階は「金沢五木寛之文庫」、3階は「文芸フロア」となっています。

文芸館全景 文芸館玄関拝殿 2階の「金沢五木寛之文庫」
≪平成28(2016)年9月14日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成28年9月23日(金):第1986号】