滋賀・竹生島(ちくぶじま)  場所の地図

 琵琶湖北部にある竹生島は、西国三十三所札所めぐり第三十番札所「宝厳寺」のある島として、古来より人々の厚い信仰を集めてきました。長浜港から船でほぼ30分、周囲2kmの小島で、島全体をおおう針葉樹を中心とした木々が、季節ごと美しい姿を見せてくれます。島内には、宝厳寺と竹生島神社の2寺社があります。
 宝厳寺は、真言宗豊山派の寺院で、山号を巌金山といいます。本尊は弁才天、開基は行基とされています。神亀元(724)年、聖武天皇が、夢枕に立った天照皇大神より「江州の湖中に小島がある。その島は弁才天の聖地であるから、寺院を建立せよ。すれば、国家泰平、五穀豊穣、万民豊楽となるであろう」というお告げを受け、僧行基を勅使としてつかわし、堂塔を開基させたのが始まりだそうです。その後、伝教大師、弘法大師なども来島し修業されたと伝えられています。唐門が国宝、観音堂、舟廊下、五重石塔が重文に指定されています。
 竹生島神社は、今から450年前、豊臣秀吉が寄進した伏見桃山城の束力使殿を移転したもので、国宝に指定されています。本殿内部は桃山時代を代表する、優雅できらびやかな装飾が施されています。
 島内にはお寺と神社しかないパワースポットの島というキャッチフレーズにひかれて訪れました。長浜港から快適な船旅で30分、宝厳寺と竹生島神社をゆっくり参拝すると約1時間、そして帰りの船が待っていました。残念なことに、国宝である唐門の全体は、工事中で足場が立っており見ることができませんでした。ちょっと趣向を変えた寺社巡りでした。

   
長浜港と竹生島を結ぶ竹生島クルーズ船 船から見た竹生島 参道にある大鳥居
宝厳寺本堂(弁財天堂) 五重石塔(重文) 三重塔
宝物殿 舟廊下(重文) 舟廊下の足組
宝厳寺朱印 竹生島神社本殿(国宝) 竹生島神社竜神拝所
竜神拝所より湖を望む絶景 海に向かって建つ竹生島神社の鳥居 竹生島神社朱印
≪平成28(2016)年9月1日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成28年9月12日(月):第1975号】