新城・立岩観音  場所の地図

 新城市日吉地区にある観音堂、奥三河七観音霊場の七番寺になっています。現在はお堂だけですが、立岩山圓通庵という寺院だったようです。その経緯が、次のように説明されていました。

 この立岩のお堂(立岩山円通庵)は鳥原地内の通称風切山の登り口にあります。今から265年前の正徳2(1712)年に建立された、由緒ある文化財ですが、明治5(1872)年の太政官布告によってお寺を撤去することになったので、御本尊十一面観音像は、常福寺に移して安置し、明治6年に廃庵になりました。
 しかし当時の鳥原の住民は、この歴史的価値ある円通庵の保存に深い熱意を示し、当時の工匠にこれに代わる木彫の観音を造らせてこのお堂に安置し、信仰のシンボルとしたのであります。
 昭和48(1973)年、円通庵に付随した大きな建物は取り払われ、残ったお堂は風雪にさらされ屋根瓦は破損、建物は腐朽荒廃の極に達していました。修理をのぞむ信者の声は、やがて鳥原住民の声となり、この古い歴史的伝統ある文化財を、信仰的にも文化的にも何かと昔日の円通庵の面影を残しておきたいと、鳥原住民の悲願・縁者の浄財によってようやくお堂は改修の竣工となったのであります。
    昭和52年3月吉日

参道 観音堂
≪平成28(2016)年5月17日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成28年6月2日(木):第1873号】