今月の掛軸(額) №57-松風

 今月も扁額紹介で、扁額の紹介は7回目になります。庫裡1階浴室の入口掲げてある扁額です。
 「松風」を使った禅語に、「閑坐聴松風」=「閑坐(かんざ)して松風(しょうふう)を聴(き)く」があります。閑坐とは、一切の妄念を離れて坐禅することをいいます。
 心静かに座っていれば、聴こえてくるのは松に風があたる音ばかり。そんな音も心が急いていては気付かないことの方が多い毎日。「松風」とは茶席では「炉がいこって湯がたつ時の音」を言い、一切の雑念を捨て、静かに座ってただその松風の音を聴く。静かに座って耳を済ませば澄み渡った音が聞こえてきますよ、という禅語です。(しゃららの禅語参照)
 落款から見ると、足利紫山老師のようです。この扁額は、書ではなく、刻字されています。

扁額全体 落款拡大
≪平成26(2014)年9月29日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成27年12月9日(水):第1697号】