比叡山延暦寺

 先日、秋の比叡山を訪れました。比叡山延暦寺は、京都と滋賀の県境にまたがり、周囲およそ100qにもおよぶこの巨大な山全体が寺域であり、いくつもの谷や尾根を活かしてつくられています。天台宗の総本山で、東塔(とうどう)・西塔(さいとう)・横川(よかわ)に、約200余りの堂塔が点在しており、あわせて比叡山延暦寺と呼びます。日本仏教の一大聖地です。延暦7(788)年に伝教(でんきょう)大師最澄(さいちょう)が小堂を建てたのがはじまりです。国宝・重文も多数所蔵し、平成6(1994)年、世界文化遺産に登録されました。

 東塔(とうどう)  場所の地図
 比叡山三塔十六谷の中心で、延暦寺総本堂の根本中堂をはじめ、大講堂、法華総持院の阿弥陀堂や東塔、戒壇院などの重要な堂塔や、国宝殿、延暦寺会館、書院などが集まっています。

延暦寺が所有する寺宝が収められた「国宝殿」 学問修行の道場である「大講堂」 伝教大師が創建した根本中堂
文殊菩薩が2階に安置されている「文殊楼」 檀信徒の先祖回向の道場「阿弥陀堂」 仏舎利と法華経が安置されています「東塔」

 西塔(さいとう)  場所の地図
 東塔から北へ1qほどのところにあり、美しい杉並木の間から小鳥のさえずりが聞こえる静寂境です。転法輪堂(釈迦堂)」を中心に相輪、にない堂、椿堂、恵亮堂、瑠璃堂、黒谷青龍寺などのほか、一般の方の修行体験ができる居土林研修道場があります。

常行三昧を修す阿弥陀如来を本尊とする「常行堂」 二堂がつながっているので「にない堂」 法華三昧を修す普賢菩薩を本尊とする「法華堂」
にない堂前の美しい自然 にない堂前の美しい青苔 西塔の本堂にあたる「転法輪堂(釈迦堂)」

 横川(よかわ)  場所の地図
 西塔から北へ4qほどのところにあり、第3世天台座主慈覚大師円仁によって開かれました。本堂は、遣唐使船をモデルとした舞台造りの横川中堂です。他におみくじ・魔除けの角大師で有名な元三(がんざん)慈恵大師良源を祀っている四季講堂(元三大師堂)などがあります。

横川の本堂にあたる「横川中堂」 四季講堂の山門 元三大師の住居跡と伝えられる「四季講堂(元三大師堂)
≪平成27(2015)年11月15日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成27年11月17日(火):第1675号】