京都・相国寺(しょうこくじ)  場所の地図

 臨済宗相国寺派の大本山である相国寺は、京都五山第二位に列せられる名刹で、正式名称は萬年山相國承天禅寺といいます。「相国」とは国をたすける、治めるという意味です。
 足利三代将軍の足利義満が、約10年の年月を費やし明徳3(1392)年に完成した一大禅苑で、夢窓国師を開山とし、京都五山第二位に列せられています。幾度も焼失と復興の歴史を繰り返しましたが、禅宗行政の中心地として地位を得て、室町禅文化の興隆に貢献しました。慶長10(1605)年、豊臣秀頼が現在の法堂(はっとう)を建立し、慶長14(1609)年には徳川家康が三門を寄進しました。金閣寺・銀閣寺・真如寺の3ヶ寺を山外塔頭、12ヶ寺を山内塔頭として、相国寺一山を構成し、90余ヶ寺の末寺を擁しています。
 秋の特別拝観として、法堂、方丈、開山堂を拝観することができました。
 法堂(重文)は、桃山時代の遺構で、わが国最古の法堂です。有名な天井の蟠龍図は狩野光信の作で、天井の真下で手をたたくと音がこだまする鳴龍として有名です。方丈は、法堂の北側に建ち、勝れた襖絵を有し、裏庭は京都市指定の名勝です。開山塔内には、開山夢窓国師像を安置、庭園は山水の庭と枯山水平庭が連繁する独特の作庭です。
 方丈の西側には、相国寺が直営する承天閣美術館があります。館内には、相国寺が所有する各種の文化財が展示されています。金閣寺境内に建つ茶席「夕佳亭」が復原されており、金閣寺の書院にある、伊藤若沖による水墨画の傑作である「鹿苑寺大書院旧障壁画」を間近に見ることができます。たまたま、入館した時は、金閣寺客殿の障壁画を描いた文化功労者であった岩澤重夫画伯の展覧が行われており、画伯の素晴らしい日本画作品を100点以上見ることができ、感動のいっときでした。 

三門 法堂 法堂北口
方丈 方丈杉戸絵「白象図」(複製) 方丈裏庭(京都市指定名勝)
開山塔を拝観する人たち 開山塔庭園 承天閣美術館
≪平成27(2015)年11月3日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成27年11月5日(木):第1663号】