石川県加賀市の古刹 実性院と全昌寺

 石川県加賀市は、石川県の南西に位置し福井県と接しています。加賀市というより大聖寺という地名のほうがなじみがあります。しかし、大聖寺という寺院は存在しません。大聖寺は、加賀百万石の支藩・大聖寺藩の城下町として栄えてきた歴史と伝統文化の息づく町です。そんな加賀市を訪れたおりに、歴史の町にふさわしい古刹である、実性院と全昌寺を拝観しました。

 実性院  場所の地図
 金龍山実性院は、曹洞宗の寺院です。大聖寺藩主前田家の菩提寺として領内最高の地位を占め、いまでも初代から14代までの歴代藩主の御廟所や家臣の墓碑があります。古くから「萩の寺」と知られ、境内の苔も美しく、禅寺様式の落ち着いた風情をただよわせています。
 御廟所にある歴代藩主の五輪塔は、今までに見た最大の五輪塔が、ずらっと並び見応えがあります。五輪塔には、次の意味があります。宇宙は、空輪、風輪、火輪、水輪・地輪の五つの要素から形成されるという仏教の教えを形として示したもので、日本特有のものであるとされています。

参道 萩がうわる参道と本堂 御霊堂(歴代藩主の御位牌)
初代から14代までの歴代藩主の御廟所

 全昌寺  場所の地図
 熊谷山(ゆうこくざん)全昌寺は、大聖寺城主山口家の菩提寺で、曹洞宗の寺院です。境内にある、羅漢堂内には、517体の仏像が1体も欠けることなく羅漢堂に安置されいます。極彩色の五百羅漢像は江戸時代末期の作です。松尾芭蕉と河合曽良が奥の細道行脚中に一泊、当時の部屋が茶室として復元されました。本堂には芭蕉木像が展示され、又境内には芭蕉塚や句碑が建てられています。
 羅漢堂の五百羅漢は、極彩色の羅漢が五段に並んでおり、とても見応えがあります。

山門  本堂  芭蕉と曽良の句碑 
羅漢堂 堂内左側の羅漢 堂内右側の羅漢
≪平成27(2015)年6月11日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成27年6月21日(日):第1526号】