京都・高台寺(こうだいじ)  場所の地図

 一昨日紹介した円山公園の南側に隣接した場所に、豊臣秀吉の正室である北政所が秀吉の冥福を祈るため建立した寺院である高台寺があります。山号を鷲峰山(じゅぶさん)といい、臨済宗建仁寺派の寺院です。

 高台寺は、北政所(ねね)が慶長11(1606)年に秀吉の菩提を弔うために開いた寺で、創建当初は徳川家康の援助もあり、広大な寺域をもつ壮麗な寺でしたが、度重なる火災に遭っています。桃山様式の創建当時の面影を残すのは、開山堂【重要文化財】と、須弥檀や厨子の高台寺蒔絵で名高い霊屋(おたまや)【重要文化財】、伏見城から移した茶室傘亭【重要文化財】と時雨亭【重要文化財】、表門【重要文化財】、観月台【重要文化財】など。東山を借景にした小堀遠州作の庭園【名勝・史跡】も見ごたえがあります。
 また、高台寺の西側にある塔頭寺院の圓徳院は、慶長10(1605)年、伏見城の化粧御殿と庭園を移築したのが起こりです。夫・秀吉の死後、出家して高台院となった北政所ねねが伏見城の化粧御殿を移築し、寺に改めました。境内には、豊臣秀吉が出世時代に念持仏とした尊像である三面大黒天(大黒天・毘沙門天・弁財天の三天合体の霊像)を祀る御堂や、高台寺の宝物などを展示する掌美術館も併設されています。

 臨済宗の寺院だけに、落ち着いた雰囲気をかもしだしています。伽藍や境内における解説も、無機質な録音機器や掲示ではなく、必ず女性職員による説明がありとても暖かみを感じました。広大な庭園はたいへん見応えがありました。

ねねの道から参道へ 唐門 庫裡
方丈前庭
開山堂と臥龍池を中心に展開される小堀遠州作の庭園パノラマ
開山堂 霊屋 茶室傘亭と時雨亭
圓徳院山門 掌博物館 三面大黒天を祀る御堂
伏見城の前庭を移築した北庭
≪平成27(2015)年1月7日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成27年1月23日(金):第1377号】