富山・岩瀬地区

 富山市北部の岩瀬地区は、加賀藩の御蔵が置かれ、上方への米の輸出港として栄え、江戸時代後期には北海道からの昆布やニシン、肥料の輸入などによって、多くの富と文化がもたらされました。現在の岩瀬の街並みは、明治期に建てられた家屋が多く残っている廻船問屋群のある街並みであり、独特の風情がただよう街です。この機会に、多くの先人の努力による貴重な遺産である岩瀬地区を訪れてみました。

独特の風情がただよう岩瀬地区の街並み

 富山港展望台  場所の地図
 岩瀬地区の北西部に小高い展望台が建っています。この展望台は、港湾の利用促進を図るため、富山市の海の玄関口である富山港のシンボル的施設として、海とのふれあいの場や県内外との交流に活用されるよう、昭和60(1985)年に建設されました。展望台に登ると、美しい富山湾や立山連峰を見ることができます。登った日は晴天のため、富山湾の眺望は素晴らしかったですが、立山連峰はかすみがかかっていたためうっすらとしか見ることができませんでした。

富山港展望台 展望台から見る富山湾遠望

 北前船廻船問屋「森家」  場所の地図
 日本海で活躍した北前船(岩瀬ではバイ船という)による交易は、幕末から明治にかけて東岩瀬港は最盛期でした。北前船主は主として北海道、上方とさかんに交易し、東岩瀬に多くの富と文化をもたらしました。「北前船廻船問屋森家」は、明治11(1878)年に建てられたもので、建築当時のたたずまいを残しており、最盛期の廻船問屋森家の財力を表現しています。現在80.2坪で、平成6(1994)年に国指定重要文化財に指定されました。
 建物内部は、当時の財力を物語る豪勢な建築でした。この建物を管理する富山市教育委員会の職員の方が細かく建物について解説していただき、この建物のすごさを再認識することができました。

 岩瀬カナル会館  場所の地図
 岩瀬地区北東部にあり、運河という意味を持つ観光拠点です。館内は、土産物売り場、観光情報を提供する場所やレンタサイクル(無料)がそろっており、岩瀬まち散策のスタート地点に最適な場所です。また、海の幸を使ったパスタやピザが人気のシーフードレストラン、岩瀬名産のシロエビやきときとの海の幸を味わえる食事処があります。食事処「白恵美酒 幸寿し(しろえびすこうずし)」で、ランチ「白エビ御膳」をいただきました。白エビの刺身、かき揚げ、サラダ、そば等豪勢な白エビずくしでした。運河に停留する船を見ながらのランチおよびティータイムを十分満喫しました。

「岩瀬カナル会館」全景 白エビ御膳 ¥1,800 運河に停留する船を見ながらのアフターコーヒー
≪平成26(2014)年9月19日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成26年9月23日(火):第1255号】