小浜古刹めぐり

 福井県小浜市は、若狭の小京都ともよばれ、国宝級の古刹が数多く存在しています。その小浜市にあるいくつかの古刹を拝観してきました。どの寺院も、すばらしい文化財を所有しており、感動の連続でした。

 明通寺  場所の地図

 大同元(806)年坂上田村麻呂の創建と伝えられています。日本海側随一を誇る国宝である本堂と三重塔はあまりにも有名です。本堂に安置されている木造深沙大将立像(重要文化財)ほかの諸仏像は圧巻です。山門は江戸時代、そこにある仁王像は鎌倉時代の作で、市指定文化財です。真言宗御室派の寺院で、山号は棡山(ゆずりさん)といいます。

山門 本堂 三重塔

 神宮寺  場所の地図

 和銅7(714)年の開創。毎年3月2日に行われる奈良・東大寺二月堂への「お水送り」は、この神宮寺の神事としてあまりにも有名です。若狭随一の木造本堂(重要文化財)を持ちます。天台宗の寺院で、山号を霊応山といいます。

山門 本堂 奈良東大寺二月堂へお水を送る水源の井戸

 羽賀寺  場所の地図

 霊亀2(716)年に女帝元正天皇の勅願により行基が創建したと伝えられています。羽賀山の麓、女帝元正天皇の御影と尊崇される十一面観音菩薩の御姿を拝する時、人みなその美しさに感銘を受けます。高野山真言宗の寺院で、山号は本浄山といいます。

 国分寺  場所の地図

 天平13(741)年聖武天皇は諸国に国分寺造営の詔勅を出された若狭国分寺は、幾度かの災厄によって焼失、現在の釈迦堂は宝永2(1705)年の再建です。木造薬師如来坐像のほか、木造釈迦如来像は福井県下最大を誇る巨像です。曹洞宗の寺院で、山号は護国山といいます。

 萬徳寺  場所の地図

 音無川の岸にあった極楽寺が兵火に罹り江戸時代初期、今の山麓に移されて再興、慶長7(1602)年に萬徳寺と改称し真言宗に改められたと伝えられています。モミジをを借景とする名勝枯山水庭園(国指定)で知られています。敷きつめられた白砂、苔むす石段、木ノ間もれる太陽の光、春はつつじ秋はもみじと四季おりなす自然美が心に残ります。高野山真言宗の寺院で、山号を延宝山といいます。

本堂 書院 庭園
≪平成26(2014)年5月5日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成26年5月8日(木):第1117号】