蟇股・蛙股(かえるまた)

 社寺建築などで,頭貫(かしらぬき:柱と柱を上部でつなぐために柱の頭部に用いる横木)、または梁(はり:柱と柱を連結,上部の重さを支えるための水平な構造材)の上,桁(けた:柱の上に横に渡して垂木を受ける材)との間に置かれる山形の部材をいいます。本来は上部構造の重みを支えるもので、のちには単に装飾として,さまざまに彫刻されたものをいいます。厚い板でできた板蟇股と中を透かした本蟇股とがあります。
 釣月寺の建築にも数多くの蟇股が見られます。本堂の大間入口にある蟇股は、ずっと板でおおわれていました。なぜなのか不思議に思っていました。表からは寺号の扁額によって見えなくなっていましたが、よく見ると、格子が見えます。そのため、おおわれていた板をはずして、透明のアクリル板をはってもらいました。そして300年前の姿が復元されました。
 釣月寺の寺院建築では、下の写真のように、いろいろな蟇股を見ることができます。

復元前の本堂大間入口の蟇股
復元後の蟇股
 ≪平成25(2013)年12月14日撮影≫   ≪平成25(2013)年12月22日撮影≫
   
本堂内陣前の蟇股 本堂玄関前の蟇股
≪平成24(2012)年10月27日撮影≫ ≪平成24(2012)年10月28日撮影≫
   
山門の蟇股1 山門の蟇股2
 ≪平成24(2012)年10月28日撮影≫  ≪平成24(2012)年10月28日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年12月23日(月):第981号】