今月の掛軸 №32-服部擔風(はっとりたんぷう)書

 今月の掛軸は、服部擔風の書です。服部擔風(1867-1964)は、明治・大正・昭和にかけて活躍した漢詩人・書家です。弥富市にある弥富市歴史民俗資料館には、服部擔風のコーナーがあるそうです。
 書は、七言絶句で次のように書かれています。

 称無何有果何郷   無何有を称するは果たして何れの郷か
 鵬翼閣南拓別彊   鵬翼閣の南に別に疆を拓く
 仏葉僲搓君莫説   仏葉 仙槎 君 説くこと莫かれ
 浮生難質是津梁   浮生 質し難きは 是れ 津梁
   時事有惑         時事に惑有り

 俗世を離れた自在の世界というのはいったいどこだろうか
 鵬翼閣の南に別の国を開いた、ここがそうなのだろう
 仏葉や仙槎でどこかに行こうなどと言ってくれるな
 はかない人生 定め(答え/問いただし)がたいのは 導いてくれる人なのだから

 ≪平成25(2013)年11月10日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年11月12日(火):第940号】