春日井・密蔵院(みつぞういん)  場所の地図

 春日井市南部の熊野町を車で走っている時、「国指定重要文化財多宝塔・密蔵院」という案内表示があったため、参拝してきました。行ってみると、数多くの文化財を持つ古刹でした。

 次のように由緒が紹介されていました。
 天台宗延暦寺末中本寺格で、正しくは医王山薬師寺密蔵院といい本尊は薬師如来である。嘉暦3(1328)年に、尾張天台宗復興の中心として開かれ、末寺は全国十一ヶ国七早くあまりに達したといわれる。当山は颯太地の修行、位を受ける場として栄え、塔頭(たっちゅう)三十六坊、ここで修行した学僧は三千人を越えたといわれる。
 現在、指定文化財としては多宝塔と本尊木造薬師如来立像が国の重要文化財として指定されており、その他。県、市指定文化財が二十数点有る。
 多宝塔は、天台宗や真言宗の寺院に多く見られるが、とりわけ愛知県は、多宝塔の多いことで知られている。密蔵院多宝塔は、その中の一つといわれ、国の重要文化財に指定されている。
 この塔は、室町時代(1338〜1573)の初めに建てられて者で、高さは16.5m、屋根は柿(こけら)葺きといって、薄くはいだ木片を重ねてつくられている。この塔は禅宗様式を多く用いている天でもたいへん珍しいもので、柱の上部が細くなっている。板張りの扉に縦横の桟が入っている。勾欄の柱頭が蓮の花を逆さにした形になっている、などにその特徴がある。多の多宝塔に比較して屋根の反りが急で、軒の出も深く、全体として勇壮、しかも安定感を感じる。

市指定文化財・総門 市指定文化財・観音堂 国指定重要文化財・多宝塔
多宝塔を別の角度から 本堂 市指定文化財・開山堂
≪平成25(2013)年7月22日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年8月24日(土):第860号】