水引戸帳(みずひきとちょう)
本堂正面中央にある二本の柱の内側、そしてそれをつなぐ横長のきれいな織物を「水引戸帳」といいます。この「水引戸帳」があるため、御本尊様をより荘厳に感じることができます。
上部にかけた横長のものを「水引」、柱に沿って縦にかけたものを「戸帳」といい、この二つをあわせて「水引戸帳」といいます。仏前にかける戸帳は、本来尊像が人目にふれないように厨子の前面にかけたものをいいました。
水引の中央部分にかける赤い絹でできた大型の結び紐は、「華鬘(けまん)」といわれ、仏様を供養する花飾りを起源としているとのことです。
「戸帳」は、三種類の布地が重なっています。中央の細長い部分を「奉賛(ほうさん)」といい、この一番下の部分に三本の房が付けられています。奉賛の後ろにある菱形の部分は「枡型(ますがた)」といいます。
この形式の水引戸帳は臨済宗寺院だけで用いられます。
≪平成25(2013)年6月2日撮影≫ |
釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年8月18日(日):第854号】