警策(けいさく)

 座禅時に、指導監督を行う直日(じきじつ)やそれを補佐する助警(じょけい)という人が持ち、座禅をしている人から依頼されて、両肩を打つ棒を警策といいます。打たれるととても大きい音がするため、とても痛そうに感じますが、長時間の座禅で緊張しているためか、警策で打たれると筋肉がほぐれ、すっと疲れがふっとび、逆に気持ちよさを感じるくらいです。
 釣月寺の位牌堂入口左右の柱に、警策が2本かかっています。この警策は、「僧堂開単百年」・「隠寮中書院落慶」記念品としていただいたものです。次の解説がありました。

 此の警策は平林寺隠寮を新築するために敷地を拡張する必要があり、敷地内にあった杉と樫を切りました。その材を生かしたいと考え、東京都港区白金興禅寺浅野宏昭師が精魂をこめて作ってくださったものです。

 平林寺は、先代が修行した道場のため、今現在でも連絡をいただいています。警策には、それぞれ禅語が書かれています。

左側柱の警策

随処作主立処皆真」

随所に主となれば、
立つところ皆真なり

どこへ行っても主にな
って、主体性を失うな
、主人公になれ。そう
すればその人の行動に
は間違いはない。その
ことに一所懸命になれ
ば、真実がそこに現れ
ているということ。
右側柱の警策

「直指人心見性成仏」

じきしにんしん
けんしょうじょうぶつ

人間が生まれながら持
っている仏性(すべて
の人が生まれながら
にもっている、仏とな
ることのできる性質)
を直接に体得しなさ
い。禅の悟りの心をあ
らわす。
≪平成23(2011)年10月4日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年6月2日(日):第777号】