シキミ(樒)/コウノハナ(香の花)

 奥三河地区の仏花は、シキミが一般的です。この地区では、シキミとはいわず、コウノハナと呼ばれています。寺で使う仏花用に、境内西側の畑には、シキミが数多く植えられています。そして3月の今頃、透明感のある淡黄色の花を咲かせます。
 シキミには、全株に毒性があり、特に果実は毒成分が多く、「悪しき実」とされ、それが略されて「シキミ」になったといわれています。昔は埋葬方法が「土葬」だったので野犬などによる被害を防ぐため、墓地に多く植栽されたそうです。「コウノハナ」の名は、葉の香りから来ているとのことです。葉に独特の香があるので、樹皮と共に粉末にして抹香や、線香などを作ったことによるそうです。
 本日は、春のお彼岸のお中日です。お彼岸用に本堂にお供えする仏花を取り替えました。

境内西側に植えられているシキミ 淡黄色のシキミの花
密集したシキミ シキミの蕾
本尊前に供えられたシキミ 仮祭壇に供えられたシキミ
≪平成25(2013)年3月20日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成25年3月20日(水):第703号】