今月の掛軸 bP2−達磨大師 廓然無聖(かくねんむしょう)

 3月の掛軸は、「廓然無聖」の四字熟語がある達磨大師の墨絵です。作者は呼山、経歴等は不明です。
 「廓然無聖」は、禅宗の初祖である達磨大師の言葉です。そのため、達磨大師の墨絵には、よくこの四字熟語が使われます。悟りの境地を一言で表わした語として知られており、心が澄んで何も無いこと、自分を悩ますことは何も無い状態をいいます。すなわち、自分を責めることも、他人を責めることもやめにしようという禅語です。
 「廓然」とは雲1つ無い晴れた空のこと、「聖」は宗教的に価値のあることを示します。
 この掛軸は、私が子どもの頃、書院の床の間によくかかっていたという記憶があります。先代、先々代ともに気に入っていた掛軸のようです。

掛軸全体 文字部分「廓然無聖」拡大 「達磨大師」拡大
≪平成24(2012)年3月4日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成24年3月6日(火):第324号】