遍照院(へんじょういん)  場所の地図

 知立の弘法さんで有名な遍照院に行ってきました。弘法大師ゆかりの寺として人々に親しまれています。真言宗豊山(ぶざん)派の寺院です。写真は上から山門、本堂全景、奥の院です。知立駅から、南方向へ約1km、知立市の住宅街一角に、広い境内があります。平日の昼時で、寒い日だったためか、参詣する人はまばらでした。左の説明文は、山門前にあった説明文からです。


 三河三弘法〈遍照院〉

 弘法山遍照院は、三河三弘法の第一番札所として親しまれています。その昔、弘法大師が弘仁(こうにん)6(815)年42歳の頃、東国巡錫(じゅんしゃく)の際にこの地に約1ヶ月間逗留(とうりゅう)され、庭前の赤目樫の木をもって三体刻んだと言われる自像のうちの一体を本尊として、弘法大師自身により創建されました。
 特にこの本尊は、この地の民衆との別れを惜しんで、その顔がやや右を向いている姿であり、古来より「見返(みかえり)大師」と呼ばれています。
 弘法大師はこの寺を生きるものすべての悲しみ、悩み、苦しみが共に語られ、解決されるようにとの願いを込めて建てられました。以来、およそ1200年の間、この地方の弘法大師ゆかりの中心寺院として多くの人々が訪れています。
 創建当時は、上重原(かみしげはら)町本郷にありましたが、延宝(えんぽう)元(1673)年、刈谷藩主の祈願寺として、現在の弘法町弘法山(旧上重原町弘法山)に移転しました。昭和54(1979)年落慶の本道地下には戒壇めぐりもあり、奥の院とともに、訪れる人の多くが参拝していきます。
 毎月、旧暦の21日の弘法大師の命日には、参道に300余りの店が立ち並び、県内外の多くの善男善女の参詣者で大変にぎわいます。
 名僧ゆかりの寺・三河三弘法

 弘法大師ゆかりの遍照院、刈谷市一ツ木町西福寺(さいふくじ)、同じく刈谷市一里山町密蔵院(みつぞういん)の三寺をあわせて「三河三弘法」と称しており、いずれの寺にも弘法大師が自ら彫ったといわれる像が安置されています。
 一番札所遍照院は、「見返(みかえり)弘法」、二番札所西福寺の像は「見送(みおくり)弘法」、三番札所密蔵院の像は「流涕(りゅうてい)弘法」と呼ばれており、三寺とも毎月旧暦21日の命日は参拝する人でたいへんにぎわっています。

 弘法大師(空海)

 平安仏教の確立者で真言宗の開祖です。讃岐国に生まれ、京都にて儒教を学び、18歳で出家、仏門に入りました。その後修行を重ね、中国、長安で密教を学び、804年帰国。布教のため全国各地を巡回され、その際、弘法山遍照院を開創されたと伝えられています。
 奥の院

 境内にある八十八ヶ所霊場の中心となる根本堂。現在は納骨堂としても使われており、毎日香煙がたえません。
≪平成24(2012)年1月31日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成24年2月1日(水):第290号】