三時回向文

 記念すべき200号になりました。
 200号として、どんな話題提供しようかと考えていましたが、ちょうど「三時回向文(えこうもん)」を作り直すことができましたので、この話題にしました。
 禅宗の寺院においては、諷経(ふぎん)という本尊様の前でお経を唱える儀式が、三回(三時)行われます。時間順に、朝課諷経(早朝)・日中諷経(昼食前)、晩課諷経(夕食前)といいます。その時、お経を読んだ後に、しめとして、仏事の功徳を、自他の悟りにさし向けようという願いを込めて唱える誦文を回向文といいます。
 通常、諷経は、次のような順番でお経が読まれます。
  @本尊様に対するお経 回向文は「本尊回向文」
  A臨済宗や本山を開いた祖師に対するお経 回向文は「祖師回向文」
  B歴代住職に対するお経 回向文は「歴代回向文」
  C自坊の関係者に対するお経 回向文は「祠堂回向文」
  D自坊や地域を守ってくださる鎮守様に対するお経 回向文は「火徳回向文」
  E四句誓願文 仏教の信者がめざす4つの願いを誓います。
  F菩薩願行文 菩薩の願い文。私たちが常に心がける行いを説く経文。
  G大慧禅師発願文 大慧禅師が唱えた、日々の生き方に対する経文。
 これらの回向文や経文が記載されているものが、三時回向文です。先代が作成した歴代回向文には、当然先代の名前は載っていませんし、筆書きであったため、修正が必要な所が若干ありました。今回はワープロの文書で作成しましたので、今後は、この文書ファイルを利用することによって、簡単に修正することができると思います。 

今回作成した三時回向文 本山の三時回向文
先代の名前が入っている三時回向文の本文 先代が作成した三時回向文
≪平成23(2011)年10月26日撮影≫

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成23年11月3日(木):第200号】