棚経A

 棚経のさいに、「仏壇の支度はどのようにしたらよいでしょうか?」という質問をよく受けます。そのため、臨済宗青年層の会が編集した「見てわかる仏事」を参考にしていただくようにしています。この冊子は、平成19年11月に、寺名を入れたものを購入しました。


臨済宗青年層の会が編集した「見てわかる仏事」の表紙。冊子は、8ページ構成です。


「見てわかる仏事」の「お盆」

 ただし、当山の檀家様で、このような本格的な精霊棚を用意されるお家はほとんどありません。ご仏壇の前に、通常のお参りと同じようにお水とお米を用意していただくだけでかまわないと思います。
 お盆ということで、特別と考える場合は、是非とも「餓鬼飯」(地方によっては水の子ともいう)をご用意いただければと思います。これは、洗米と角切りの茄子をまぜたもので、このイラストのように里芋の葉に入れる場合と、お参り用の受け皿として、里芋の葉を用意する場合とがあります。この「餓鬼飯」でお参りする意味は、餓えと乾きに苦しむ餓鬼に、少しでも食べやすい形で飯食を施し救済し、この功徳が、ご先祖さまやあらゆる精霊の喜びとなり、さらには家門と子孫の繁栄につながるといわれています。里芋の葉は、蓮の葉の代わりです。蓮は、泥水の中から生じ清浄な美しい花を咲かせる姿が、仏の智慧や慈悲の象徴とされています。

釣月寺和尚の一日一題 話題提供 【平成23年7月10日(日):第84号】