九相観図
檀林皇后は嵯峨天皇のお后で才媛の誉れたかく絶世の美女と謳われ,深く仏教に帰依なされていた。お亡くなりになる時に「私が死んだ後は葬儀を用いず野に棄てよ。色欲におぼれる者は我が燗穢を見て警護すべき」と。人の生命が終わった後,必ず訪れる肉体の醜い変化其の現実を此の目で確かめ淫欲に溺れることなく悟りの世界に導き給う皇后の思し召しである。
御歌に
儚しや朝夕なでし黒髪も
蓬がもとの塵とこそなれ
新死相
膨張の相
血塗の相
蓬乱の相
たん食の相
青おの相
白骨連相
骨散の相
古墳の相