泰山王は四十九日目。四十九日忌の法要は、遠い所から集まりました。嫁入った娘も婿も来て供養しました。所がお経がすんだら倉の中から出てきたものに目をつけて 「これは私がもらふ。この帯も」 と、泣いた眼が俄に光る形見分け。せっかくの法要も形見分け目当てのお年忌ぢゃ。これ聞かされた親亡者 「ああ情けない事になっちゃたな」