さて一本目は、港を出てから安室島をぐるっと回って、座間味島の東にある「牛の島灯台下」に入ります。海の表面がざわざわっとして、ちょっと流れがありそうです。
エントリーすると、下はサンゴの根で、その切れ目を沖側に下っていきます。上を見るとアマミスズメダイが群れていて、下を見るとその子供が岩の間をちょろちょろしています。
根の外側に出ると、少し流れがありました。それに乗るようにして、根に沿って進んでいきます。深いところにはクレナイニセスズメや、セナキルリスズメダイが顔を出しています。沖を見ると、中層にテジマヤッコが長い尾びれをひらめかせています。ハナゴイも群れていました。少し先に行くと、クロヘリイトヒキベラの群の中を通り抜けました。
下を見ると、口もとが黄色くて尾びれが白いスズメダイが目につきます。後で図鑑を見ると、マルスズメダイでした。知らなかったものがわかると、得をしたような気になります。
根を回り込んで流れがなくなったあたりは、ハナゴンベのすみかになっていました。岩のでっぱりを下からのぞき込んでみると、いるいる、丸っこい体にオレンジ色が華やかなハナゴンベがいました。あまりダイバーを恐がらないようで、そばによっても隠れたりはしませんでした。もっとも、カメラを持っていなかったので、殺気が出てなかったせいかもしれませんが。
ふと下を見ると、同じグループのひとりが必死に指をさしています。その先を目でたどってみると、白いからだにオレンジの帯、イロブダイの子供でした。ひょいひょいと先に進んでいくので、追っても追っても距離は縮まりません。あまり先に進むとはぐれてしまうので、適当なところでお別れしました。
最後は根と根の間のせまい水路を抜けます。ここは向かい潮になっていて、ちょっと泳がされました。やっと抜けたと思ったら、そこは大きなくぼみになっていて、ミナミハタンポのすみかでした。
安全停止を兼ねて、根の上の浅いところにあがります。そこは一面のサンゴが広がっていて、すぐに上がるのがもったいないようなところでした。
いったん宿に戻ってお昼を食べて、1時間ほど休んだ後で2本目に出発です。こんど港を出てすぐ近く、座間味島と安室島の間の水路のちょっと手前、「シル」でした。漢字で書くと城になるそうです。
砂地と岩場の間に船を停め、エントリーして砂地で集合します。そして岩場に沿って進んでいきます。
はじめに目に入ったのは、アジアコショウダイの幼魚でした。白黒模様がはっきりしているので幼魚には違いないのですが、大きさは12cmくらいはありそうで、幼魚というにはちょっと大きさがなあ、って感じでした。
その後は黄色い頭に白と黒の帯のついた、ヒレグロベラの幼魚です。これは幼魚らしい大きさでした。やっぱり幼魚には幼魚にふさわしい大きさってもんがあるというもんです。
そのあとは砂地に出て、いくつかある根をめぐっていきます。最初はテーブルサンゴの残骸で、その下にハリセンボンがいました。次は少し大きい根で、たぶんスカシテンジクダイの小さいのが群れています。その下の穴のところにハナミノカサゴが入り込んでいました。ガイドの真美さんのシグナルを解読すると、「このミノカサゴが上の魚を餌にしています」でした。でもこれじゃ小さすぎて何匹も食べないと身が持たないだろうなあ。
アマミスズメダイの子供が何匹か同じ場所にいて、でも群れているわけでもなく、20cmくらいの間隔をあけています。親になると群れるのに、子供が群れないのはいったいどういう事情があるんだろうか。
次の根には、ハナビラクマノミがいました。ミツボシクロスズメダイも混ざっています。しかし真美さんが指したのはその脇にあるちょっとへこんだところでした。見るとタマイタダキイソギンチャクがあって、ハマクマノミが顔を出していました。でもよくよく見ると白い線が2本ある!?これはまだ子供だからでした。そう思ってまた見ると、かわいくなるから不思議です。
元の岩場に戻ると、今度は穴の中をのぞきます。夜行性のウケグチイットウダイやトガリエビスがもぐっていました。そこから船の下に戻り、エキジットします。
さて問題のサンゴの産卵ですが、下見での可能性は五分五分とのこと、とりあえず出動することになりました。その結果は・・・また後で。
・・・・・今日はまだでした。